機関投資家のBTC流入、4270億ドルと予測｜ビットワイズ発表

暗号資産（仮想通貨）投資会社ビットワイズは23日、UTXO Managementとの共同調査により、2026年までに機関投資家からビットコイン（BTC）への資金流入が最大4270億ドル（約61兆円）に達するとの予測を 発表した。

この予測が実現すれば、機関投資家は約427万BTCを保有することとなり、ビットコイン総供給量の約20%を占める規模となる。

ビットワイズは2025年に1200億ドル、2026年に3000億ドルの機関投資家流入を中心予測として提示し、ビットコインが投機的資産から戦略的準備資産への転換を加速させると分析している。

5つの機関投資家カテゴリーが牽引

機関投資家による大規模流入を牽引するのは、国家、公開企業、米国州政府、資産管理プラットフォーム、政府系ファンドの5つのカテゴリーだ。

国家レベルでは、米国政府が既に19万8000BTCを保有しており、ドナルド・トランプ大統領の戦略的ビットコイン準備構想により、さらなる蓄積が期待されている。

中心シナリオでは、各国政府の金準備の5%がビットコインに配分され、1617億ドル（約23兆円）の流入を予測。ニューハンプシャー州やアリゾナ州などが主導する州レベルでの採用拡大により、196億ドル（約2兆8000万円）の追加流入も見込まれている。

公開企業部門では、企業財務の多様化戦略として ビットコイン 採用が倍増し、1178億ドル（約16兆8000万円）の流入を想定。

モルガン・スタンレー（Morgan Stanley）やゴールドマン・サックス（Goldman Sachs）などの資産管理プラットフォームからは、運用資産の0.5%配分により3000億ドル（約43兆円）の資金流入が期待されている。

ビットコインETFが制度化を加速

2024年に承認された ビットコイン現物ETF は、機関投資家のアクセスを劇的に改善した。

年間362億ドル（約5兆2000億円）の純流入を記録し、金ETFの初期成長を20倍上回るペースで拡大している。

現在1250億ドル（約17兆9000億円）の運用資産を保有し、2027年までに年間1000億ドル規模まで成長する可能性が高い。

ビットワイズのシニア投資ストラテジスト、フアン・レオン氏は「今後18カ月でビットコインはグローバルな価値保存手段としての地位を確立する」と述べている。

楽観シナリオでは6000億ドル流入も

ビットワイズは3つのシナリオを提示している。保守的シナリオでは1500億ドル、中心シナリオで4270億ドル、楽観シナリオでは6000億ドル超の流入を予測。

楽観シナリオでは、各国政府の金準備の10%がビットコインに配分され、資産管理プラットフォームの1%配分、公開企業の保有量4倍増が実現する想定だ。

現在のビットコイン価格は約10万9000ドルで推移しており、5月22日に記録した史上最高値11万1970ドルに近い水準を保っている。

規制環境の改善も重要な要因となっており、BITCOIN法案などの立法措置が成立すれば、米国連邦政府による年間20万BTCの購入が義務化される可能性もある。

機関投資家による大規模参入は、ビットコインの価格安定性向上と市場成熟化を促進し、 新しい仮想通貨 市場全体の発展を牽引すると期待されている。