モネロ（Monero）が51%攻撃を受ける=Qubicプールが過半数のハッシュレートを獲得

モネロが51%攻撃を受ける

Qubicマイニングプールがモネロ（Monero）のハッシュレートの52%以上を掌握したことで、XMR価格が下落しQUBICトークンが上昇する中、攻撃の影響をめぐる議論が巻き起こっている。

关注一段时间了，这次针对门罗币的 51% 攻击看来是成功了（感谢黑手册群友信息），不过成本也很高，最终不确定这样做的经济收益是什么…

现在理论上 Qubic 这个矿池可以重写区块链，实现双重支付，并审查任何交易…

相关平台注意可能的威胁，保持关注。 https://t.co/cKlMyuvy9C pic.twitter.com/U9J9bDiF85

— Cos(余弦)😶🌫️ (@evilcos) August 12, 2025

Qubicマイニングプールは、一時的にモネロ総のハッシュレートのうち、52%以上を掌握。Qubicマイニングプールのチームは、モネロへの51%攻撃に成功し、ハッシュレートの半分以上を掌握したと、SlowMist（スローミスト）の創設者ユウ・シアン（Yu Xian）氏が述べた。

Qubicの代表でありIOTAの共同創設者でもあるセルゲイ・イヴァンチェグロ（Sergey Ivancheglo）氏によって以前実験だと発表されており、同氏はこの取り組みを「経済的なデモンストレーション」と述べていた。同氏によると、Qubicはネットワークに悪意を持って干渉する意図はないとのことだ。ビットコイン（Bitcoin/BTC）開発者のピーター・トッド（Peter Todd）氏は今回の動きについて、次のように述べている。

興味深いですね。どうやらモネロも大規模な再編を経験したようです。今回の攻撃に関連しているものと思われます。リアルタイムの支配率を特定するのは難しく、本質的に測定が難しいのです。PoWは確率的なものですから。

51%攻撃にかかるコスト

ユウ氏によると、Qubicのモネロマイナーにおけるハッシュレートのシェアは、一時52.36%に達し、ネットワーク上では、プールが53%の閾値を超え、ハッシュレートが2.65GH/sに達したという。

同氏は、攻撃のコストが高いため、その経済的メリットは依然として疑問視されていると指摘。Ledgerのシャルル・ギルメ（Charles Guillemet）CTO（最高技術責任者）は、このような制御を維持するには1日あたり約7,500万ドル（約111億円）のコストがかかると推定。同氏は、誠実なマイナーのインセンティブ崩壊について警告しており、「Qubicは競合ブロックを簡単に孤立させ、事実上唯一のマイナーになるため、他のマイナーはマイナーを続けるインセンティブを失うことになる」と述べ、この非対称性について次のように説明している。

事実上、時価総額3億ドル（約444億円）のチェーンが時価総額60億ドル（約8,878.5億円）のチェーンを乗っ取っている。モネロの回復の選択肢は限られており、完全な乗っ取りはもはや可能であり、むしろその可能性さえある。今のところ、XMRの下落率はわずか13%だ。

51%攻撃は本当にあったのか懐疑的な声も

同CTOは、モネロがこの問題に対処する選択肢は限られていると指摘したが、最終的にはネットワークの完全乗っ取りが行われる可能性が高いと考えている。

一部ユーザーは、攻撃が本当に成功したかどうかについて懐疑的な見方を示しており、SeraiDEXのリード開発者であるルーク・パーカー（Luke Parker）氏は、もし攻撃が完全に効果的であったら、他のマイナーによってマイニングされたブロックは存在しなかったはずだと指摘し、Qubicチームは単に運が良かっただけだろうと述べている。

なお、51%攻撃が成功すれば、プロジェクトチームはブロックの再構成、取引の検閲、二重支払いが可能になる。

モネロと仮想通貨コミュニティへの影響

Qubicへの攻撃は、モネロのようなプライバシー重視の仮想通貨にも依然として存在する脆弱性を浮き彫りにしている。

51%攻撃は、制御された経済的なデモンストレーションとして位置付けられていたが、マイニングパワーの集中化のリスクを浮き彫りにした。このような支配は、トランザクションのファイナリティとネットワークのセキュリティに対する信頼を損ない、ユーザーの信頼に影響を与える可能性がある。

コミュニティのさまざまな反応は、経済的インセンティブとネットワークの完全性のバランスに関するより広範な議論を反映しており、今後、この出来事をきっかけに、モネロ開発者は、将来の51%攻撃に対する防御を強化するため、プロトコルの調整やマイニングリソースの多様化を検討するのかもしれない。

今回の事件は、スケーラビリティとネットワークセキュリティ、レジリエンスのバランスを取りながら、51%攻撃を軽減するための分散型マイニングプールとプロトコルのアップグレードの重要性に関する議論を再燃させている。