ウィンクルボス兄弟、トランプ支持PACに2100万ドル相当のビットコイン寄付
2026年中間選挙を前に仮想通貨政策支援を強化
仮想通貨取引所 ジェミニ (Gemini)の共同創業者であるタイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏とキャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏が、 ドナルド・トランプ (Donald Trump)米国大統領を支持するPAC(政治活動委員会)に対し、約2,100万ドル(約31.2億円)相当のビットコイン(Bitcoin/BTC)を寄付した。
Today, @cameron and I donated $21 million in bitcoin (188.4547 BTC) to the Digital Freedom Fund PAC. The mission of the @FreedomFundPAC is to help realize President Trump’s vision of making America the crypto capital of the world. Since inauguration, @POTUS and his Administration…
— Tyler Winklevoss (@tyler) August 20, 2025
今日、キャメロンそして私は、デジタルフリーダムファンドPACにビットコインで2100万ドル(188.4547 BTC)を寄付しました。(FreedomFundPAC)アメリカを世界の仮想通貨の首都にするという…
寄付はデジタル・フリーダム・ファンドPAC(Digital Freedom Fund PAC)に向けられ、2026年の中間選挙を前に仮想通貨政策を後押しする動きとして注目を集めている。
寄付の詳細とPACの役割
今回の寄付は188.4547BTC(発表時点で約2,100万ドル)で、2025年7月11日に設立されたデジタル・フリーダム・ファンドPACに送られた。
連邦選挙委員会 (FEC)の登録情報によれば、会計責任者はジャナ・ラトランド(Janna Rutland)氏が務めている。タイラー氏はSNS「X」で、「PACの使命はアメリカを世界の仮想通貨の中心地にするというトランプ大統領のビジョンを支援することだ」と投稿しており、寄付の意図を明確に示した。
同PACは2026年の中間選挙に向けて仮想通貨支持派の候補者を支援し、業界に有利な立法を推進することを目指している。市場構造に関する法案の制定や仮想通貨の少額利益に対するデミニマス税免除、ブロックチェーンの活用促進などが重点的な課題とされている。さらにPACは、仮想通貨・株式・現金など複数の資産で資金を保有しながら活動する方針を示している。
政策的焦点と業界への姿勢
ウィンクルボス兄弟は規制の明確化と自由な市場環境の整備を重視している。SECと CFTC (米国商品先物取引委員会)の管轄重複を解消する「スキニー市場構造法案(Skinny Market Structure Bill)」や、政府の過度な干渉を受けずにデジタル資産を保有・取引できる権利を掲げた「ビットコイン・仮想通貨権利法案(Bitcoin & Crypto Bill of Rights)」を支持していることが報じられている。また、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の導入には一貫して反対し、選挙で選ばれていない官僚が金融システムに過剰な影響を及ぼすことに懸念を示した。
タイラー氏はXにおいて、過剰な規制や官僚主義を避け、イノベーションを阻害しない市場構造を求めて戦うと発言している。自己管理型ウォレットやP2P取引の支援、ソフトウェア開発者の法的保護といった点にも触れており、業界の健全な発展のために自由と技術革新を守る姿勢を鮮明にした。
過去の献金と政治的背景
兄弟はこれまでもトランプ氏や仮想通貨支持の政治団体を支援してきた。2024年の大統領選では、両氏が合計で約200万ドル相当のビットコインを寄付したが、連邦の寄付上限を超えた一部は返金されている。また同年には、有力な業界系PAC「フェアシェイク」に490万ドルを寄付した。フェアシェイクはコインベースをはじめとする大手企業からも資金を集め、2024年の選挙サイクルで1億4,100万ドル以上を保有していたとされ、多くの候補者を後押しした。
さらに兄弟は、トランプ氏の家族に関連するマイニング企業「アメリカン・ビットコイン・コーポレーション」にも投資しており、仮想通貨を巡る政界とのつながりを強めている。今回の寄付は、トランプ大統領や共和党の仮想通貨支持候補を支援する動きを改めて裏付けるものとなった。
スーパーPACは候補者に直接資金を提供することはできないが、無制限に資金を調達して独自に政治キャンペーンを支援することが可能である。今回の寄付は、仮想通貨業界が規制や政策形成に直接影響を与える力を持ちつつあることを示しており、2026年の中間選挙を前にその存在感がさらに拡大していくことを印象づけている。
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