パウエル議長は「積極的な利下げ」に冷水を浴びせ、米国債の継続的な上昇に終止符を打った。

連邦準備制度理事会（FRB）のパウエル議長が、より積極的な利下げへの市場の期待を後退させたことを受け、米国債は8月中旬以来初めて週間ベースで下落した。金曜日には、全年限の国債利回りが1～3ベーシスポイント上昇し、FRBが水曜日に25ベーシスポイントの利下げを発表した後に始まった上昇傾向を継続した。指標となる10年国債利回りは4.12%まで小幅上昇し、2週間ぶりの高水準となった。政策決定後の記者会見で、パウエル議長は、政策当局は今後の金融政策を会合ごとに決定すると述べた。この発言により、市場の急速な利下げへの期待は後退したが、金利スワップ市場では依然としてFRBによる年内あと2回の利下げが見込まれている。ハートフォード・ファンズの債券ストラテジスト、アマー・レガンティ氏は、「今回のFRB会合前、債券市場はセンチメントとポジションの両面で非常に楽観的だった。FRBは利下げを実施し、今後も複数回実施する可能性があるが、これは明らかに市場の現状の期待を反映していなかった」と述べた。それ以前は、インフレ率はFRBの目標を上回り続けていたものの、労働市場は弱含みの兆候を示していた。市場は政策当局が借入コストを速やかに引き下げると見込んでおり、米国債価格は引き続き上昇した。しかし、会合後の売り圧力により、この上昇局面は終焉を迎えた。