「ディバリュエーショントレード」が大流行！bitcoinが史上最高値を12.5万ドル以上に更新

米国政府のシャットダウンによる広範なリスク資産の上昇と、「Uptober」相場による全体的な楽観ムードに後押しされ、世界最大の暗号資産であるbitcoinは先週末、12.5万ドル以上の新高値を記録し、8月14日に記録したこれまでの最高値を上回りました。

bitcoinの最新の上昇は、米国株式市場の上昇およびbitcoin関連のETFへの資金再流入によって支えられています。投資家たちは、先週水曜日に始まった政府のシャットダウンが安全資産への資金流入を促すと推測しており、市場参加者はこの現象を「ディバリュエーショントレード（贬值交易）」と呼んでいます。

「ディバリュエーショントレード」の核心は法定通貨の購買力低下へのヘッジであり、市場が特定の通貨（特に米ドル）の弱体化を予想する際、投資家が購買力減少リスクを回避するため、米ドル資産から資金を引き揚げ、金、株式、暗号資産など、より価値保存性が高いとされる資産へと移すことを指します。

Uptoberは暗号資産市場における10月相場の特有の表現で、「上昇（Up）」と「10月（October）」を組み合わせた造語であり、暗号資産が10月に季節的な上昇を見せる現象を指します。bitcoinは過去10年間の10月のうち9回上昇しています。

暗号資産機関ブローカーFalconXのマーケット共同責任者ジョシュア・リム（Joshua Lim）は、「現在、株式、金、さらにはポケモンカードなどのコレクションアイテムまで、多くの資産が史上最高値を更新しており、bitcoinが米ドル安ストーリーの恩恵を受けているのも不思議ではありません」と述べています。

時価総額最大のデジタル資産であるbitcoinは、今年に入ってからすでに30％以上上昇しています。

過去1年の大半で、bitcoin価格は着実に上昇してきました。これは、米国大統領トランプ政権下のワシントンによる友好的な立法環境によるものです。Michael Saylor率いるStrategy社を筆頭に、上場企業がますます人気の「bitcoin蓄積」企業戦略を採用し、この通貨の需要を押し上げました。この戦略は、Etherなどの規模の小さい競合通貨にも波及し、デジタル資産全体の上昇を牽引しました。

10月3日までの1週間で、bitcoin現物ETFの累計純流入額は32.4億ドルとなり、2025年に入ってから最大の週間流入額であり、2024年1月のローンチ以来2番目に大きい週間流入額となりました。

先週金曜日、米国が長期的な政府シャットダウンの可能性に直面し、商業活動データが低調だったにもかかわらず、新たな大規模AI取引と協業が米国株を史上最高値に押し上げ、米国債と米ドル為替レートは下落しました。同時に、米国の金利低下とインフレ懸念が続く中、各国中央銀行による金購入が金価格を7週連続の上昇へと導いています。

Standard Chartered Plcのグローバルデジタル資産リサーチ責任者ジェフ・ケンドリック（Geoff Kendrick）は、「今回の政府シャットダウンの影響は大きい」と述べ、bitcoinがこの期間中に上昇すると予想していると付け加えました。彼は、2018年から2019年の前回の政府シャットダウン時には、bitcoinの「状況は異なっていた」——当時はこの通貨の動きが伝統的なリスク資産との相関が低かったと指摘しています。

彼はさらに、「今年のbitcoin取引には『米国政府リスク』が含まれており、これは米国債の期間プレミアムとの関係に最もよく表れています」と述べました。

ケンドリック氏は、新たなETF資金流入と米国政府のシャットダウンが今後数週間で暗号資産価格をさらに押し上げる可能性があると述べています。彼は顧客向けレポートで、bitcoinが数日以内に史上最高値を突破し、今後数週間で13.5万ドルに到達する可能性があるとし、これは以前の予測よりやや遅いとしています。また、年末までにbitcoinが20万ドルに達するという目標を改めて強調しました。