資本市場の後押し！MSTRが保有するbitcoinの規模は、Amazon、Google、Microsoftの帳簿上の現金に迫る勢い

MicroStrategyが保有する640,031枚のbitcoinの価値が一時800億ドルを突破しました。この数字は、同社の企業金庫の規模がAmazon、Google、Microsoftに迫るものであり、これら3大テック企業はそれぞれ約950億～970億ドルの現金または現金同等物を保有しています。

執筆：潘凌飛

出典：Wallstreetcn

企業向けソフトウェア企業であるMicroStrategy（MSTR）は、bitcoinへの巨額な投資によって、同社を全く新しい規模へと押し上げています。同社が保有するbitcoin資産の価値は、Amazon、Google、Microsoftなどのテック大手の現金準備高に迫っており、これは同社の積極的な戦略が驚くべきリターンをもたらしていることを浮き彫りにするとともに、bitcoinが企業財務の準備資産としてかつてない注目を集めていることを示しています。

MicroStrategyが火曜日にSNSプラットフォームXで発表した情報によると、bitcoinが月曜日に126,080ドルの史上最高値に達したことで、同社が保有する640,031枚のbitcoinの価値は一時800億ドルを突破しました。この数字は、同社の企業金庫の規模がAmazon、Google、Microsoftに迫るものであり、これら3大テック企業はそれぞれ約950億～970億ドルの現金または現金同等物を保有しています。

このマイルストーンは、2025年に企業界でbitcoinの受容が爆発的に拡大しているタイミングで達成されました。現在、bitcoinをバランスシートに組み入れている上場企業の数は年初の100社未満から200社超へと増加しています。MicroStrategyの成功事例は、MicrosoftやMetaなどがかつてbitcoinを準備資産とする提案を拒否し、相当な帳簿上の利益を逃したことと鮮明な対比を成しています。

米ドルのインフレや巨額の国債発行を背景に、bitcoinが潜在的なヘッジ手段として主流の認知を得つつあります。JPMorganのアナリストからBlackRockのCEOに至るまで、金融界の重鎮たちがbitcoinを法定通貨の価値下落に対抗する「デバリュートレード（価値減少取引）」の選択肢と見なす声が増えており、企業財務管理戦略が大きな変革期を迎えていることを示唆しています。

MSTRのbitcoin保有価値、AppleやNvidiaの現金を上回る

MicroStrategyは継続的にbitcoinを購入することで、同社の企業金庫の価値はNvidia、Apple、Metaなどの企業の現金ポジションを上回りました。データによると、同社は平均73,981ドルで全640,031枚のbitcoinを購入しており、現在の帳簿上のリターンは65%に達し、含み益は約304億ドルとなっています。

MicroStrategyのbitcoin準備規模は驚異的ですが、世界最大の企業キャッシュホルダーであるBerkshire Hathawayの約3,440億ドルの現金準備にはまだ及びません。企業金庫規模トップ10の企業の中で、Teslaはもう一つのbitcoin保有企業ですが、保有する11,509枚のbitcoin（約14億ドル相当）は、同社の370億ドルの総準備のごく一部に過ぎません。

法定通貨価値下落へのヘッジ：bitcoinが「デバリュートレード」の新たな寵児に

企業がbitcoinに関心を高めている背景には、マクロ経済リスクへのヘッジという深い動機があります。JPMorganのアナリストは先週、米国債が38兆ドル近くに達している状況下で、bitcoinと金はともに「デバリュートレード」であり、米ドルのインフレヘッジ手段になり得ると指摘しました。

この見解はBlackRockのCEO Larry Finkにも支持されています。かつてbitcoin批判者だった彼は、今年1月に通貨価値下落への懸念からbitcoin価格が70万ドルに達する可能性があると述べました。保守系シンクタンクNational Center for Public Policy Research（NCPPR）の副所長Ethan Peckも、MicrosoftやMetaに対して同様の提案を行い、bitcoinが企業利益を通貨価値下落からより良く守れると主張しました。Peckは「現金が継続的に価値を失い、債券利回りが実質インフレ率を下回る中、Metaの総資産の28%が株主価値を継続的に損なっている」と指摘しています。

テック大手の躊躇と失われた利益

bitcoinを準備資産とする理由がますます強まる中でも、一部のテック大手は依然として慎重な姿勢を崩さず、そのため最近の市場上昇の恩恵を逃しています。MicrosoftとMetaの株主は、NCPPRが提案したbitcoin配分案をいずれも否決しました。

報道によると、Microsoftがこの提案を拒否した時点でbitcoinの取引価格は97,170ドル、Metaが拒否した時は104,800ドルでした。つまり両社は、その後のbitcoin価格上昇による二桁台のリターンを逃した一方で、保有する現金ポジションの価値はインフレによって継続的に目減りしています。bitcoinの価格変動は、Microsoft株主がこの提案に反対票を投じた主な懸念材料の一つでした。なお、NCPPRは昨年12月にもAmazonの取締役会に同様の提案を行いましたが、今のところ目立った進展はありません。

企業の採用率が急増：2025年はbitcoinバランスシート元年に

一部の大手企業が様子見を続けているものの、2025年は企業によるbitcoin採用のブレイクスルーの年となっています。bitcoinをバランスシートの一部とする上場企業の数は、年初の100社未満から200社超へと急増しました。

bitcoin価格が現在、月曜日に記録した史上最高値付近で推移している中、bitcoinを保有するほぼ全ての上場企業が投資で利益を上げています。MicroStrategyの成功は、これらの企業にとって模範となるだけでなく、資本市場全体に対しても、現状のマクロ環境下でbitcoinがオルタナティブな準備資産として急速に魅力を高めているという強力なシグナルを発しています。