FDIC、GENIUS法に基づくステーブルコインの連邦ライセンス発行期限を12月に設定

FDICがステーブルコインの連邦ライセンス発行期限を12月に設定

FDIC（連邦預金保険公社）のトラヴィス・ヒル（Travis Hill）暫定委員長は、GENIUS法に基づく最初の規制案を12月末までに公表する予定であると 発表 した。

FDICはGENIUS法の運用化に向けて動いており、GENIUS法に基づくステーブルコイン発行者向けの最初の連邦規制枠組みを12月末までに公表する計画を発表。ヒル暫定委員長は、下院金融サービス委員会への証言に先立ち提出された準備声明の中で、規制当局の計画についての詳細を次のように述べた。

FDICはGENIUS法の施行に向けた規則の公布作業を開始しました。今月下旬には適用枠組みを定める規則案を、来年初頭にはFDICの監督下にある決済ステーブルコイン発行者に対するGENIUS法の健全性要件を実施するための規則案を発表する予定です。

同暫定委員長の発言は、FDICがステーブルコインの監督に関する規制段階に正式に移行し、申請プロセスと発行者の運営を規定する健全性基準を分離した体系的なタイムラインを策定していることを示唆している。

申請枠組みに焦点

ヒル氏によると、12月の提案は行政手続きの入り口に焦点を当て、企業が認可決済ステーブルコイン発行者（PPSI）の資格を申請するための具体的なプロセスを概説する。

FDICはすでにこの枠組みの草案作成に着手しており、今後の提案では、発行者が連邦制度にどのように参入し、認可を得るためにどのような情報を提供しなければならないかが明確化されると予想されている。

フェーズ1：連邦政府への申請
最初の提案では、ステーブルコイン発行者がGENIUS法に基づく連邦監督を申請する方法を概説。監督を受ける資格を得るために発行者が満たすべき要件、審査メカニズム、期待事項を定義する。FDICは年末までにこの草案を公表することを目指しており、これは決済ステーブルコインのための規制環境構築に向けた最初の一歩となる。

フェーズ2：資本とトークン化の区別
FDICは、監督対象のステーブルコイン企業の財務安全性要件を定義する第2弾の規則を、2026年初頭に公表すると予想されており、保有すべき資本の額、準備金の質、リスク管理といった事項が網羅される。

これらと並行して、トークン化された預金についての新たなガイダンスも策定されている。GENIUS法では、トークン化された預金は決済ステーブルコインとは異なる扱いを受ける。

FDICの提案により、米国でステーブルコインを発行する企業は、初めて連邦ライセンスを取得するための特定の法的手続きを経ることになり、ステーブルコイン発行者は「認可された決済ステーブルコイン発行者」として、政府の正式な監督下に置かれることになる。GENIUS法は、ステーブルコイン保有に対してFDICの保険を自動的に付与するものではないが、規制当局の監督機能により、発行者はより厳格な監督体制の下に置かれる。

この新しい枠組みにより、米国は事実上、ステーブルコインを銀行業界に持ち込み、銀行と同様の準備金、透明性、監督基準を満たすことを義務付けている。システム全体のリスクが低減し、規制当局や大口投資家との信頼関係が構築され、ステーブルコインの普及が促進される可能性がある。